目標の立て方が仕事の出来を左右する

■“目標ありき”の設定はショック療法、実現性考慮を!

企業にはさまざまな目標が存在します。

トップダウン(上意下達)で割り振られるもの、
ボトムアップ(積み上げ)によって全体(目標)がまとめられるもの、
部門・個人が個別に設定するものなど、規模・内容はさまざま。

また目標自体も、“とにかく目標ありき”で設定されるものと、
実現性を考慮”した上で設定されるものがあります。

日本一/世界一になる」なんていうのは多くが前者の例。
こういった高い目標は裏づけを考えると、
なかなか設定できません。

そういう意味では、“とにかく目標ありき”で
設定されるものは、大きな飛躍を促すためのショック療法
と言えるかもしれません。

“とにかく目標ありき”の設定は、
時に意気込みで表明されるなど、
必ずしもロジカルに語れない部分を持ち合わせます。

従って以下では、“実現性を考慮”した上で設定される
目標について、その考え方・留意点を挙げたく思います。
目標を立てる際の参考としていただければ幸いです。

■目標設定における3つの視点(考え方)とは・・・

最初に、どのような考えの下に目標を設定すべきか、
確認しておきましょう。

1)会社/部門などの目指す方向性と合致している。
2)努力すれば何とか届くレベルにある高い目標である。
3)達成したか否かを測定(評価)することができる

こに挙げた3点全てを満たすものこそが、
チャレンジング、かつ仕事の出来を大きく左右する
目標と言えます。

6W3Hの考慮が目標の実現性を高める

さて、それら点をクリアした上で、
実際の設定に当たってはもう一段の検討を加えると、
より実現性の高い目標に近づきます。

それが6W3Hの考慮。

目標(の中身)によっては9項目全てを
検討する必要がないかもしれませんが、
検討過程で新たな気づきが生じる可能性も否定できません。

従い、まずは6W3H各項目について、
一通り考えを巡らせてみると
よろしいのではないでしょうか。

■Who/How muchが特にポイントに

特に“Who”(誰が)は重要
その目標について、「誰が責任を持つか
ということです。

個人に全てが帰結するような目標であれば問題ありませんが、
場合によっては複数人、あるいは複数部門が連携して
達成を目指す、という目標も出てきます。

そういった際、最終責任者が不明確であると、
大きな困難などが生じた際に進むべき道を判断できなくなる、
あるいは判断するまでに相当の時間を要する
といった事態が起きがちになります。

それを防ぐ唯一の方法が、
最終責任者を最初から明らかにしておく
ことなのです。

もう一つ、状況によっては
重要性が増すものがあります。
それが“How much”(いくらか)

大きな費用が発生するものは、原資(お金)をどのように
捻出するかもしっかり考えておかなければ、
目標が絵に描いた餅となりかねません。

会社によっては期初に予算を組んでおかなければ
経費捻出不可、なんていう事態も。
費用の算段、お忘れなく。

■ボトルネック/トレース法検討も忘れずに

以上が目標を立てる際のポイントですが、
後2つ、併せて検討しておくと、後々楽になる留意点が
ありますので、それも記しましょう。

それが、1)ボトルネックの想定と対策
そして、2)トレース法の検討です。

ボトルネックとは、ビンの首に当たる細い部分。
そこから転じ、仕事の進行を妨げる
要因を指すようになりました。

つまり、ボトルネックの想定とは、
目標を達成する上で、一番の障害になりそうなものを
事前に検討しておく、ということ。

その上でそのような事態が実際に起きた場合に
どうするか(対策)を(目標を立てる時点で)
考えておきましょう、ということです。

トラブルの全てが想定通りになるわけではありませんが、
こういったことを事前にシミュレーションしておけば、
いわゆる“想定外”の削減につながります。

結果、何かが起きた際に
冷静に対処しやすくなるという次第。

2つ目のトレース法の検討とは、
進捗状況をいかに把握するか、ということ。

目標設定に際し意識する3つの視点の中に
「測定することができる」というものがありました。

最終的に達成したか否かの判断はもちろん重要ですが、
途中途中に順調か否かも確認する必要があります。

従って、途中経過に関する評価法を
あらかじめ明らかにしておくと、
進捗が思わしくない時などに早目の対策が可能

進捗適否を、誰が/いつ/どのように評価するか、
軌道修正の要否をどのような観点で判断するか。

そういったことを目標設定段階で検討しておけば、
動き出してからがとても楽になるのです。

“目標を立てる”とは、目標自体を
どの程度に設定するか、ということもありますが、
後々まで考えた上でこそ、優れた目標と言えます。

良き目標を設定し、
良き成果につなげてください。

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