■「理解する」と「理解させる」は、全く異なる力
仕事場中心に、説明が必要とされる
シーンってけっこう多くありませんか?
上手に説明できるなら問題ありませんが、
人にきちんと伝えるのって意外と難しい。
説明下手と言われる人達には、
共通するものがいくつかありますが、
その根底に横たわるものって、
いったいなんでしょう。
答えに行く前に、説明に大きく関わる、
“自分が理解している”ことと
“相手に理解させる”ことの間の
大きなギャップについて、
確認しておきましょう。
“賢い”と言われるような人が、人に何かを
伝えようとして上手くいかずに苦労している
シーン、見かけたことありませんか。
そういった人達は、自分では簡単に
さまざまなことを吸収するのに、いざ誰か
に伝えようとすると、時に激しく苦戦。
これってなぜだと思います。
それは“自分が理解する力”と
“人に理解させる力”が全く別物
であるにもかかわらず、
その違いを認識していないから。
人に理解させられない、つまり
説明下手な人に共通する一つが、
2つの力の違いを踏まえず、
誰彼なく自分視点(の一方的な見方)
で話してしまうことなんです。
■1/5と2/5を足すと、3/10になる???
ちょっと極端な例を使って
説明しましょう。
話し手が、
「『1/5+2/5』は『3/5』です。
ですからこのケースの場合・・・」
と説明したとします。
でも、聞き手が「『1/5+2/5』だから、
答えは『3/10』じゃないの」、
と考えたらどうなるでしょう。
そう考えてしまう人は、そもそも
『1/5』の意味を理解していない、
ということになります。
単純に『1/5』『2/5』の上下
それぞれを足し算して『3/10』
を導いてしまう。
話し手は『1/5』の意味するところを、
当然に理解している。
一方で聞き手は『1/5』の
正しい意味を把握していない。
話し手にとっては答えが「3/5」
になることが当たり前ですから、
いちいち細かい理由など説明せずに、
スッと続きの説明に移ってしまいます。
一方で「答えは3/10じゃないの?」
と思った聞き手は、なぜ『3/5』に
なるか理解できず、そこから先の説明に
ついていけなくなります。
結果として、
聞き手は「なんかよく分からない」
という思いに至ってしまう。
実は説明下手と言われる人の多くが、
こういったミスを犯しています。
話し手としてはごくごく当たり前
のことも、聞き手にとっては当たり前
ではないかもしれない。
上記でいえば、
『1/5』の意味するところ。
ですから、相手が内容を理解しているか
否かを適宜確認しながら先に進む、
そういった配慮がなされていると、それは
分かりやすい説明につながりやすくなります。
■説明下手の真因、それは“思いやり欠如”
「説明下手の根底に横たわるもの」とは、
このように聞き手が理解しているか否か、
その確認を省いてしまうこと、聞き手に
対する“思いやりの欠如”なのです。
「こんなことはいちいち言わなくても分かるだろう」
「このくらいのことは知っているはずだ」
そんな話し手の“思い込み”が話し手と
聞き手の間にある情報ギャップを埋める
機会を奪い、分かりにくい説明にしてしまう。
ですから、もし伝わらないなら、それは
「相手の理解力に問題があるのではなく、
自分の説明力に課題があるのだ」という
発想に立ち、説明を尽くす姿勢が必要となります。
聞き手の表情などから、『1/5』の意味を
理解していないと感じたら、例を使う
などして、その意味を説明する、ということです。
自分視点ではなく相手視点に徹する、
相手が疑問に思うだろうことを
先回りして考え、丁寧に説明する、
それこそが“思いやり”の実践。
決して難しいことではありません。
そのような前提に立ち、
では具体的にどう説明したらいいか。
以下にその方法を詳しく記してあります。
ご参考としてください。
◎「分かりやすい説明の仕方」については、こちらをご覧ください
◎「“説明上手”と言われるコツ」については、こちらをご覧ください
聞き手を十二分に思いやり、
ぜひしっかり伝えきってください。
■以下記載も合わせてご覧ください!
「わかりやすい説明を今日から実践」
「説明が苦手だから、相手になかなか伝わらないとお悩みのあなたへ」
「説明上手になるにはちょっとしたポイントがあるんです・・・」
「説明上手と言われてしまう5つのコツ」