わかりやすい説明を今日から実践

■分かりにくい説明の原因をひも解く!

同じテーマを説明するに際しても、
分かりやすい人がいる一方、
何を言いたいのかよく分からない人もいます。

「『分かりやすい説明・話し方』が
大事なことは理解するけど、
 それってどうしたらいいの?」
そんな疑問を持たれたこと、ありませんか。

そもそもなぜ分かりにくい説明に
なってしまうのか。

その辺りの原因が明らかとなれば、
必然的にどうすればいいかも
はっきりするはずです。

ということで、まずは
分かりにくい説明にみられる、
共通点を挙げてみましょう。

a.話す行為自体に不慣れ
b.話し方に問題がある。
c.話す内容に問題がある。
d.話の展開に問題がある。

それぞれ簡単に説明します。

「話す行為自体に不慣れ」というのは、
例えば、緊張して声が上ずった状態を
想像してください。

始終そういった話し方をされると、
聞き手はかなり辛いことでしょう。

「話し方に問題がある」とは、
例えば、とても早口であったり、
感情が高ぶりすぎてろれつが回って
いなかったり、といった状態を指します。

これも度を越すと、
話し手が何を言っているか、
聞き手には理解できません。

「話す内容に問題がある」とは、
話が抽象的であったり、
専門用語濫発であったりと、
しゃべっている内容そのものが
よく分からない状態のことです。

「話の展開に問題がある」とは、
話の順番が不適切なために、
聞き手が全体像を頭に描けない
ケースなどが相当します。

これらのいずれか、あるいはその
複合によって「分かりにくい説明」は
現実のものとなってしまうのです。

■関心の的をつかみ、大→小の流れで説明する

では、分かりやすくするには、
具体的にどうすれば良いのでしょう。

a.b.については
慣れの問題もありますので、
ここではc.「話す内容」及び
d.「話の展開」にスポットを当て、
方策を説明したく思います。

大きく2つのことを意識する必要があります。
1)相手の関心事を踏まえる。
2)大→小の流れを徹底する。
それぞれ説明しましょう。

1)相手の関心事を踏まえる。
  人は常に自分の興味を中心に置き、
  相手の話に耳を傾けます

  例えば、お客様から製品クレームが
  入ったとしましょう。

  すると、営業担当は販売動向が気になり、
  製品担当は原因究明に明け暮れ、
  役員クラスは損益インパクトを心配します。

  これは自分の置かれた立場から、
  その事象(現象)を捉えるからです。

  ということは、同じ説明をするにしても、
  聞き手の関心事を中心において話せば、
  相手が興味を持ち、積極的に耳を
  傾けてくれるようになる、
  ということを意味します。

  聞き手が積極的であれば、理解される
  可能性がかなり高まると思いませんか。

  元々の話は同じであったとしても、
  相手に応じて視点(切り口)を変える
  というのは、分かりやすさを左右する
  重要な要素なのです。

2)大→小の流れを徹底する。
  人が物事を理解する際は、
  まず大枠を頭に描き、
  そこに各論を関連づけ
ていきます。

  特に聞き手が疎い分野については、
  この流れが顕著になると同時に、
  自分の知っている似た情報と
  ダブらせながら
理解しようとするのです。

  ですから、話をする時は、
  まずは全体概要、あるいは結論を説明し、
  その後に詳細、または理由を伝えると、
  比較的理解されやすくなります。

  また、特に難しい内容に関しては、
  一般的に知られていそうなものに
  例える
と聞き手の理解が深まります。

  例えば、コンピューターのCPU
  (Central Processing Unit=中央処理装置)
  を説明する場合、
  「CPUとは、人間に例えますと“頭”に相当します」
  といえば、性能を左右する重要なパーツ
  であることが誰にも理解できるでしょう。

  「大→小の流れ」とは、最初に
  全体地図を相手の頭に
入れてもらい、
  「次に説明するのは、地図でいう
   “この部分”に当たります」と、
  ナビゲートしてあげることなのです。

  専門用語なども“ナビゲート”と“例え”を
  併用すれば、相当程度に理解されることと思います。

■しつこいくらいに『繰り返す』必要あり

上記2点を意識していただければ、
少なくとも「何が言いたいか分からないよ」
という聞き手のなげきは排除可能なはずです。

最後に、もう一つだけ、ポイントを。
それが『繰り返し』の効用。

聞き手は、話し手が思っているほどに、
物事を理解できません

特に初めて聞く話は、
その傾向が強まります。

ですから、話し手が「ここは重要」
と思うことは、途中に何度となく
繰り返すことをオススメします。

「こんなにしつこく言って大丈夫かな」
くらいで丁度良いのです。

結果として
「なんとなくだけど、分かったよ」
となれば、それは伝わった証。

「分かりにくい話だな」と言われる
ことは決してないでしょう。

自分の説明力に、もし不安を感じるなら、
上記3点、ぜひお試しください。

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