■2つのツールを使うだけで論理的な文章に・・・
もしかして、「あなたの文章は論理性に欠けますね」
とか「文書に一貫性がないのでは・・・」などと
言われてしまったことがあるかもしれません。
論理的文書に苦手意識を持つ方、
結構いらっしゃいます。
でもご安心ください。
論理的、かつ納得性ある文章の作成って、
それほど難しくありません。
意識すべき考えは2つだけ。
それが“ピラミッド構造”と“MECE”(注1)です。
図を使って説明しましょう。
その前に確認を。
論理的文章って、そもそもどんなものでしょう。
論理的とは一言でいえば筋道が通っていること。
「述べたいこと(結論・主張)とその理由(根拠)に
十分納得性が保たれた構造」と言えます。
そういった構造を持つ文書が論理的文書なのです。
そしてそのような構造を構築する手段として、
“ピラミッド構造”と“MECE”が役立つ、
と考えていただけますか。
■“なぜならば”“だから”で結ばれる『ピラミッド構造』
ではまず“ピラミッド構造”から。
図1をご覧ください。
(図上部の)課題が物事を考える出発点。
対して最終的に何らかの
あなたなりの結論(主張)が導かれると思います。
同時にその結論(主張)に至った理由があるはずです。
図で言えば、理由は
根拠(1)~(3)に相当します(注2)。
そしてその根拠(1)~(3)を更に支えるのが根拠A~Iです。
結論と根拠、あるいは根拠とそれを支える根拠は
“なぜならば”“だから”で結ばれます。
「結論は○○です。“なぜなら”それは根拠(1)と言えるからです」、
あるいは「根拠(1)です。“だから”結論として○○と言えます」
という関係を構築するのです。
例えば課題として「如何に営業効率を改善するか」、
対する結論(主張)が「準備からフォローまで営業プロセスをマニュアル化し、
それを徹底すべき」という例を使って考えましょう。
根拠として挙がったのが次の3つ。
根拠(1)「実績は準備にかける時間に比例するが、現状はセールス任せ」、
根拠(2)が「セールストーク優劣により決定までの訪問回数に大きな差があるが、
それら情報を共有する場がない」、
根拠(3)は「しっかりしたアフターサポートを提供している顧客はリピート率が高いが、
これに関する会社としての明確なルールがない」。
するとこれらは
“なぜならば”“だから”で結ぶことができます。
更に根拠(1)を支える根拠A,B,Cにおいても、
“なぜならば”“だから”で結ばれる情報(検証データ等)を
充てればよいのです。
結果(主張)と根拠の関係、
よろしいですか。
ピラミッド構造で重要な点を一つだけ挙げれば、
それは根拠の信頼性。
望ましいのは根拠がデータ(実績等の事実)に基づくことです。
そうすることであなたの主張の納得性(説得力)が最大化します。
■“重複なく、漏れのない”関係、それが『MECE』
続いて“MECE”。
「重複なく、漏れなく」と訳されます。
図2の左側をご覧ください。
人を男性と女性に分ければ、必ず何れかに分類されます。
両方に入る人、あるいはどちらにも属さない人はいません。
これが“MECE”です。
今度は図2の右側をご覧ください。
会社員かつ学生という方がおります。
これが“重複”です。
一方で働いておらず学生でもない人、
例えば未就学児はどこにも属しません。
これが“漏れ”となります。
“MECE”という考え自体は難しくないと思いますが、
いかがでしょう。
大切なのは“ピラミッド構造”と“MECE”の関係です。
図1で挙げた根拠、ここが“MECE”である必要があります。
根拠(1)~(3)が、結論(主張)に対し、
「重複なく、漏れのない」ものであることが
要求されるのです(注3)。
上に挙げた例も、
実は「準備→訪問→フォロー」という
営業プロセスの“MECE”になっています。
このように“ピラミッド構造”と“MECE”を組み合わせることで
あなたの結論(主張)の納得性が高まるのです。
課題に対し、こういった構造を作れれば、
後はそれを文書に落とし込むだけ。
文書化の際も結論→根拠→更なる根拠という
“ピラミッド構造”を崩すことなく文字化してください。
これでもう「君の文書はロジカルじゃないね」と
言われずに済みますね・・・。
論理的文書の元となる論理思考(ロジカルシンキング)について
詳しく学びたい方は、こちらが役立つと思います。
ご参考にどうぞ。
(注1)“MECE”は、「ミッシー」、あるいは「ミーシー」などと読まれます。
(注2)図1では3つの項目を根拠としています。
根拠の数に決まりはありませんが2~4つぐらいが無難。
それ以上の場合、重要な根拠に絞り込んだ方が読み手は理解しやすくなります。
一方、根拠が1つの場合、納得性の乏しいものとなりますので要注意です。
(注3)根拠(1)に対する根拠A~Cも“MECE”を意識して情報を配する必要があります。
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