書類の管理、その基本を知る

■必要性は分かるも、なかなか管理しきれないのが書類

インターネットの普及とともに、電子メール(e-mail)、
あるいは電子ファイルのやり取りが増える一方、
当初予想されたほどに紙ベースの資料(書類)は減りませんでした。

一人当たりの職務領域は拡大傾向にあり、
必然的に個々人が関わる書類も増加気味に。

結果、机の上や足元、時には机の周りに書類が散乱
というのは昔も今も変わらぬ光景と言えましょう。
あなたの職場にそういった方、おりませんか。

部門共有書類など、複数人が共用するものは
ルールに則った運用が必須ですが、個人管理の書類は
自分が使いたい時に使えるようになってさえいれば、
管理の仕方自体が大きな問題に発展することはまれ(注1)。

しかしながら、そういった管理さえ
実践できない人が多いのも厳然たる事実です。

そこで以下、どのようにすれば
効果が高い管理となるかを見ていきましょう。

■書類管理の3原則とは・・・

書類管理においては、
以下3点が基本的な考え方となります。

1)使用頻度に基づき、書類を3種に分類する。
2)使用するクリアホルダやファイルには必ず件名をつける。
3)不要となった書類の週末(帰宅前)廃棄を習慣化する。

それぞれ説明しましょう。

1)使用頻度に基づき、書類を3種に分類する。
  3種とは、
  「未処理」(含処理中)/「保留」(含一時保存)/「保管
  のこと。

  「未処理」は現在手がけている最中の書類を、
  「保留」は回答待ちなど、一時的に待ち状態と
  なっている書類を、そして「保管」は処理が完了し、
  残しておく必要のある書類を指します。

  それぞれを必ず別のクリアホルダなどにファイリングし、
  混在させないようにすべきなのは、
  言うまでもありません。

  「保管」書類は案件ごとにファイルを分けますが、
  「未処理」「保留」書類は量が少ないなら、
  一つのファイルに複数の案件を収めても構いません。

  (机の)引き出しに入れる際は、
  手前から未処理」「保留」「保管」という
  順番を厳守するのが最大のポイント。

  接触頻度の高い資料ほど、身近に置き、
  すぐに確認できるようにする、
  という発想に基づいています。

  日に一度は、「未処理」「保留」書類に
  軽く目を通すようにすると、作業の抜け漏れがなくなり、
  セルフマネジメント(自己管理)につながっていくでしょう。

書類管理の鍵となるもの、それが定期的“廃棄”習慣化

2)使用するクリアホルダやファイルには必ず件名をつける。
  書類はいつか引き継ぐ可能性のある会社の資産

  従って自分自身が分かると同時に、
  他人が見ても分かりやすい案件名を付けることを習慣化しておけば、
  自分が不在時の対応含め、いざという時に慌てずに済みます。

  その際、サイズが複数ある付箋は、
  大いに役立つ優れものツールと言えましょう。

3)不要となった書類の週末(帰宅前)廃棄を習慣化する。
  部署の在籍年数に応じ増えていくのが書類。
  従って常時スリム化を心がけなければ、
  すぐに紙まみれとなってしまいます。

  週末(休前日)は帰り間際に15分だけ時間を取り、
  不要書類を処分する習慣を持つと、書類が整理されるとともに、
  どこに何があるかを把握でき、書類探しに苦労せずに済みます。

■たった1%の書類に多くの場所を提供していませんか?

最後に、「書類を廃棄できない」という人に、
米国・記録学会であるNAREMCO(注2)の
データを紹介しましょう。

調査によれば、
ビジネスパーソンの見る書類の90%が作成から半年以内
99%が一年以内であったそうです。

裏を返せば、
作成から一年以上経過した書類は100個中たった一つしか
再利用されない、ということ。

1%の使用可能性しかない資料に
机の多くの場所を提供するのは、
明らかに非効率と感じますが、いかがでしょう。

一年を経過した資料、思い切って
全てを廃棄してしまっても良いかもしれません。

もちろん、契約関係、及び税務含め法律上の保管年限が
定められた書類はこの限りではありません。

もし、書類整理が苦手という思いがあるなら、
まずは古い書類を廃棄、その上で3分類を
実践されてはいかがでしょう。

(注1)機密情報、個人情報についてはこの限りではありません。

(注2)NAREMCO:National Records Management Council

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