■さまざまに分類可能なのが仕事・・・
一口に仕事と言っても
色々な種類のものがあります。
例えば、「誰が発信元か」という基準で
分類すれば、お客様、取引先、上司、他部門、同僚
などが挙げられましょう。
また依頼・指示ではなく、
自発的に作成する書類もあると思います。
自ら企画を発案する、業務改善提案を上げる、
といったことがそれに当たります。
作業の中身(内容)から
分類することも可能でしょう。
定型的か、否定型的かといった区分がそれ。
このように仕事はさまざまに分類できますが、
では優先順位を決める際は、どのように分類し、
いずれを優先したら良いのでしょう。
以下にその考え方を記したく思います。
■“重要度”と“緊急度”を軸に、優先度を検討
仕事の優先順位を考えるに当たっては、
2つの切り口を使います。
それが『重要度』と『緊急度』。
『重要度』とは、その仕事の位置づけ。
“影響度”と言い換えても良いかもしれません。
それが滞ることで
大きなマイナスの生じる可能性のこと。
売上に影響する、納期に影響する、
品質に影響するなどさまざまな要素が
考えられます。
優先順位を決める際は、まずはそれが
どれほど重要かを吟味する必要がある、
ということです。
その際の留意事項も記しましょう。
仕事は、そのほとんどで相手が関わります。
従って、重要度は2つの軸から
把握することが可能。
それが、「自分にとっての重要度」と
「相手にとっての重要度」です(図1参照)。
互いに重要なもの(図1の“A”)が筆頭に
来るのは論をまたないでしょう。
問題は2番目です。
つまり「相手にとっての重要度」(図1の“B”)
と「自分にとっての重要度」(図1の“C”)の
いずれを優先するか。
多くの人がここで「自分にとっての重要度」(図1の“C”)
を優先しがちですが、「相手にとっての重要度」(図1の“B)
を優先した方が、関係が良好となり、信頼のパイプが
太くなります。
故に図1の優先順位は、
「A→B→C→D」が基本となります。
■“緊急度”勘案においても自分軸/相手軸視点を持つ
続いて、
もう一方の切り口である『緊急度』。
『緊急度』とは、言葉の通り、
どれだけせっぱ詰まっているか。
『緊急度』にも、自分軸と相手軸が存在します。
その優先度を記せば、ア→イ→ウ→エ(の順)
が原則(図2参照)。
やはり2番目に優先すべきは、
「自分にとっての緊急度」は高くない一方
「相手にとっての緊急度」が高い仕事(図2の“イ”)です。
自分が緊急度の高い仕事(図2の“ウ”)を抱えている
状況下に、相手の緊急度(図2の“イ”)を優先するのは、
きついかもしれませんが、だからこそ、
相手の喜びはひとしお。
もちろん、何でもかんでも相手優先に
していては、自分の仕事が進みませんから、
相手が緊急とする仕事の『重要度』も勘案して
判断すべきなのは言うまでもありません。
■“緊急ではないが重要な仕事”にいかに取り組むか
さて、それら前提の下、
『緊急度』と『重要度』の関係は
どのように考えればよいのでしょう。
その答えが図3となります(1→2→3→4の順に優先)。
ここで最大のポイントが、
「緊急ではないが重要な仕事」(図3の“2”)の優先順位。
それは「緊急だが重要ではない仕事」(図3の“3”)
より優先すべき、という点です。
「緊急だが重要ではない仕事」(図3の“3”)を
具体的に挙げれば、
突然の電子メール(e-mail)や電話、来客対応、
会議出席、資料作成などがあります。
もちろん、その全てが「常に後回しで良い」
と言っているのではありません。
例えば、電子メールや電話なら対応時間を決める。
約束していない来客なら、手短に済ませる、
といった工数削減のための対策を取る必要がある、
ということです。
会議であっても、自分の出席が必須か否かを
検討することは可能でしょうし、資料も時に
簡素に済ませる手が考えられます。
「緊急だが重要ではない仕事」(図3の“3”)に関しては、
その工数をできる限り削減するように努める、
というのが求められる発想。
ここ、超重要な部分です。
では「緊急ではないが重要な仕事」(図3の“2”)
とは何でしょう。
それが、計画作りや各種準備、仕事を効率的に
進めるための仕組み作り、あるいは人間関係構築、
更には仕事のレベルアップを図るための情報収集や
各種スキル向上などです。
なぜ、それらが「緊急だが重要ではない仕事」(図3の“3”)
に優先するのでしょう。
それは、「緊急ではないが重要な仕事」(図3の“2”)を
放置しておくと、ある日突然に「緊急かつ重要な仕事」(図3の“1”)
に変化する可能性があるからです。
例えば、お客様の要望が上がり始めたタイミングできちんと対応
(緊急ではないが重要な仕事=図3の“2”)すれば良かったものを
おざなりにしたことで大問題に発展し、「会社の存亡に関わる」
というのは、よくある話。
大問題に発展してしまえば、「緊急かつ重要な仕事」(図3の“1”)
となり、時に他の仕事を全てストップさせ、対応しなければなりません。
それは避けるべきでしょう。
だからこそ、意識して
「緊急ではないが重要な仕事」(図3の“2”)に
計画的に取り組む必要があるのです。
今月、今週、今日、何から手をつけるべきか
悩んだ時は、上記順位を勘案していただくと
よろしいのではないでしょうか・・・。