■できるビジネスパーソンは書類もしっかり管理
“できる人”は一般に、しっかり自己管理しています。
基本となる健康管理、メンタルに絡むストレス管理はもちろん、
時間管理、作業管理などなど。
最適コンディションの下、
高いアウトプットを維持できるよう、
徹底したセルフコントロールを心がけています。
当然ながら、書類(情報)管理もその範疇。
必要な書類が必要な時にすぐ出てこなければ、
検索という生産性の乏しい作業に多くの時間を
費やさなければなりません。
調査会社の調べによると、
「ビジネスパーソンが情報検索にかける時間は、
業務全体の30%を占める」という結果が出ています。
つまりおおむね一日の1/3を
調べものに充てている、ということ。
書類管理が行き届くことで、そういった時間を節約し、
他の仕事に充てられるとしたら、
それは大きな差を生むと思いませんか。
人から問われた際もすぐに該当書類が出てくれば、
信用が増すでしょう。
このように書類管理はビジネスパーソンとしての
大切な取り組みに位置づけられるものなのです。
■“整理”と“整頓”、その意味の違いを知る
さて、前置きはこれくらいにして、
本題に入りましょう。
最初に整理整頓のお話を。
物を片づける際に使う整理整頓、
あなたはその意味をご存知ですか。
一般に“整理”と“整頓”はセットで使われますが、
この2つ、明確な違いがあります。
“整理”とは、不要なものを処分すること。
そして“整頓”とは、必要なものを使いたい時に
すぐに使えるように配置しておくこと。
ここで大切となるのが、その順番です。
まず整理があり、その上で整頓に行き着く。
つまり、最初に不要なものを廃棄し、
残った本当に必要なものだけを再配置するのが
整理整頓の正しい意味。
書類管理においてもこの考えが当てはまります。
1年使っていない書類をその先に使う可能性はわずか1%(注1)。
ですから、まずは古い書類を徹底的に廃棄しましょう。
■電子化/ファイリングが整頓の基本
その上で整頓に入って行きます。
整頓の方法としては、次の3つを基本にされると
よろしいでしょう。
1)データの電子化を進める。
紙入手の資料もスキャニング、あるいはPDF形式(注2)
にするなどして電子データ化し、原紙を廃棄。
電子データであれば、検索SWを有効活用できます。
2)ファイリングの習慣化。
今後使うか否か不明な資料は、
取りあえず机の中(上)に、という暫定対応を
してしまいがちですが、これ、厳禁。
保管要否の判断がつかない資料は
「保留」(一時保存)ファイルを作成し、
そこに入れ込む習慣を持ちたいもの。
その時点における、その書類のステータス(状態)
が一目で分かるようにしておくと、
いつの間にか不要になっていた、という状態を防げます。
■廃棄徹底による書類総量規制が運用の鍵
3)廃棄ルールを通じ、定期的に処分。
電子メールの普及とともに、
個人に届けられる情報が格段に増えました。
届くものが増えたのですから、捨てるものも
増やさなければ、すぐに情報の洪水に
飲み込まれてしまいます。
そこで必要となるのが、廃棄ルール。
最低でも月に一度は書類をチェック。
特に2)で「保留」とした書類が、その後
使われていないなら、廃棄すべきでしょう。
■“クリアデスク”もお忘れなく!
最後にもう一つだけ、書類管理につながる習慣のご提案を。
それが退社時の“クリアデスク”励行。
“クリアデスク”とは
正しく机の上をクリア(何もない状態)にすること。
何もない状態にするわけですから、
机に置かれた書類は何らかの処理を迫られます。
明日も使う書類であれば、「未処理」という名のクリアホルダに
入れ、引出しの一番手前にしまうなど、とにかく一旦机の上を
クリアにする習慣を身につけませんか。
クリアデスクは盗難対策になるなど、
セキュリティ上も推奨される行為。
出社時、綺麗な机に向かうのは
気持ちの良いものです。
「机が狭いな」と感じているなら、特にオススメ。
「机ってこんなに広かったんだ!」とビックリします(笑)。
この週末、まずは“整理”(廃棄)から始めませんか?
(注1)米国・記録学会NAREMCOによる調査結果。
(注2)PDFは、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の登録商標です。
■以下記載も合わせてご覧ください!
「書類の管理、その基本を知る」
「一流ビジネスマンの名刺の管理法」
「名刺整理の方法を極める」