見える化・可視化とは。その基本を知る

■問題があるのかないのか、それを明らかにする仕組みが「見える化」

「見える化」とか「可視化」という
言葉を聞く機会が増えていませんか。
それは何を意味するのでしょう。

営業・スタッフ部門における
「見える化」の例も挙げながら、
以下、説明したく思います。

「見える化」「可視化」とは、
現状、進捗状況などを常に把握
できるような状態に
しておくこと。

見ただけでは、何が起きているのか、
問題があるのかないのか、「よく
分からない」ということがあります。

そういった一見しただけでは
分かりにくいさまざまな状況を、
見せ方を工夫することにより、
把握しやすくする
行為こそが
「見える化」。

それは問題点をつかみ、改善に
つなげる
ための仕組みとして、多くの場、
特にビジネスシーンで使われています。

「見える化」「可視化」は、実質的に
同義と捉えて問題ありませんが、
「見える化」が主にビジネスの場面で
使われるのに対し、「可視化」は一般
用語として使用されることが多いようです。
(本記載では、以下「見える化」を使用)

■生産現場からスタートした「見える化」がさまざまな場に拡大

「見える化」の具体例として有名なのが、
トヨタの“かんばん方式”でしょう。

それは部品在庫を減らすために
考案された仕組みです。

必要な部品が不足せず、
一方で必要以上の在庫を持たない。
そのためにトヨタは、誰もが在庫状況を
ぱっと見て分かる“帳票”を使いました。

この“帳票”を“かんばん”と呼んでいたため、
“かんばん方式”の名が冠されましたが、
まさに「見える化」そのものと言えましょう。

「見える化」は、初期の段階では、
主に生産現場で積極導入されました。

しかしながら、その発想がさまざまな
ビジネスシーンに転用可能と分かり、
現在では、比較的業務プロセスが
見えにくいと言われる、営業や
スタッフ部門、研究職などにおいても
盛んに利用されています。

“かんばん方式”の場合、”帳票“が
「見える化」ツールとして活用されましたが、
一般には図や表、グラフがその中心です。

また、生産現場などでは音や光を
利用することもあります。

■業務内容に応じ、「見える化」の仕組みを考える

では、営業・スタッフ部門では、
どのような行為が「見える化」と
なるのでしょう。

問題把握に向けた“見せる行為”すべてが
「見える化」ですから、範囲は広いですが、
営業の場合、例えば訪問件数や客先への
訪問頻度、提案件数などをセールス間で
比較する、などがその実践となりましょう。

また日別行動予定と実績の乖離を明らかにし、
そこから問題点をあぶり出して、対策に
つなげる、といったことも「見える化」
と言えます。

スタッフ部門でいえば、時間当たりの
伝票処理件数や、各業務に要する作業
時間を計測し、問題点を見つける、
といった取り組みもその実践です。

現状の問題点を明らかにし、改善につなげる
ことが、「見える化」の目的ですから、
一律に「こういった取り組みをすれば良い」
というものでは
ありません。

職場、あるいは業務内容に応じて、
「どうすれば問題をあぶりだせるか」
考える必要がある、ということです。

■「見える化」に不可欠となる“仮説力”

その際、重要となるのが“仮説力”。

例えば、予定と実績に差が生じたら、
最初に原因がどこにあるか、
ある程度の目途をつけます。

その上で、どのようなデータを
どういった切り口で見れば
その仮説を検証できるかを考え、
実際の収集作業に移ります。

あらゆるデータを検証する、という方法も
考えられなくはないですが、特にスピード
を要求されるビジネスの場では、それは
現実的ではありません。

ですから、仮説を立てながら
「見える化」を進める
、というのが、
求められる姿勢なのです。

それは決して難しいものではなく、
現状改善に向けた一手法に過ぎないもの。

「見える化」、
あなたも積極活用されてはいかがでしょう。

■以下記載も合わせてご覧ください!

「見える化+見せる化で仕事の生産性アップへ」
「見える化の効果に疑問を感じる方は読んでください」